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能楽師・武田宗典の舞台活動・観劇活動を中心にした日記的四方山話


by munenorin

嬉しい便り

今日、久しぶりに大学のときの後輩から一通のお便りをいただきました。

嬉しい便り_b0145146_23505657.jpg彼の名はK君、サークルの時の後輩です。大学在学中からずっと役者を志していました。
あくまで私見ですが、舞台人としては決して飲み込みの良いタイプではなく、本格的に職業役者を目指すなら、将来的にはかなり苦労するだろうなと危惧していました。しかし舞台にかける情熱だけは誰にも負けない感じで、それが時折キラリとした輝きを見せるタイプでした。

実は彼は大学在学中、私の父について、謡と仕舞を2年ほど稽古していたことがありました。なにぶん学生さんですし、父も月謝等はサービス価格にはしていたのですが、それでも神戸からの一人暮らしでバイトと仕送りで生活を立てる身、色々な事を切り詰めながら必死に稽古に臨んでいたのだと思います。
大学を卒業するに当たって稽古は中断することになり、その後私の家もドタバタしてしまったのでなかなか連絡することが出来ずにいたのですが、風の便りで彼がまだ役者を目指して奮闘しているという話を耳にしてはいました。

そして今日の便りは、その彼がこの春に新国立劇場の演劇研修所を卒業し、役者としてデビューするという報せでした。しかも舞台は紀伊国屋サザンシアター、「こまつ座」(脚本・井上ひさし)という立派な舞台です。

彼の地道な努力がようやく結実したのかと思うと、本当に涙が出るほど嬉しく思いました。そしてどんな風に舞台人として成長したのか、今とても気になっています。きっと私に良い刺激を与えてくれるだろうと期待しています。そして、彼の将来にこれから明るい光が射していくことを心から祈っています。
期間は8月15日から31日まで、観に行くのが今から本当に楽しみです004.gif
by munenorin | 2008-07-24 00:47 | 四方山つぶやき