能楽師・武田宗典の舞台活動・観劇活動を中心にした日記的四方山話


by munenorin

今日は初めて携帯から投稿

今までは文章作成に時間が掛かるのでPCから投稿していましたが、今日は携帯からやってみます。果たしてうまく送れるのでしょうか?

今日は藤村女子高校という女子校の貸切公演で『土蜘蛛』の上演でした。シテは野村昌司氏。そのほかの役も頼光が坂井音晴氏、胡蝶が鵜澤光氏、トモが武田祥照氏、地頭(地謡というコーラスグループのリーダー)が北浪貴裕氏と、とことん若手主体での舞台です。

開演前はやはり年頃の女の子達の集団、楽屋にまで客席の話し声が聞こえてくるほどのはしゃぎっぷり。それが開演直前の先生の一喝で場内が水を打ったように静かになります。良い教育を受けているんだなと感心しました。

学生さん対象の貸切公演は、実際に舞台に乗せてみないとどういう反応が返ってくるかわからないという部分があります。 それは学生の年齢や学校の質(というより先生の質というべきでしょうか)などによってももちろん違うのですが、実は大切なのは最初にこちらが行う『お話』や『解説』のように思います。学生能では必ずといっていいほどこうしたお話を最初に行って、能初観劇の皆さんを楽しみ易いようにといざなっていくのですが、ここでうまく学生達を乗せてあげると意外と食いついてくるものなのです。
今日のお話は先日関寺小町を勤められた野村四郎師でした。シテの野村昌司氏のお父様です。長く東京芸大で教授をされていただけあり、何気ない話に聴く人を引き込む力があります。それは深い知識に裏打ちされた静かな自信と落ち着いた佇まいのせいなのでしょう。なんだかこの間の関寺小町と共通する何かを感じました。あまり話が得意でない自分も、出来れば早くこういった領域にいきたいものです。
今日はまさにそのおかげか、学生達が本当に集中して舞台に見入っていました。


もちろん自分は普段からお客様との出逢いを一期一会と思って舞台に立ってはいますが、特にこうした学生能の時は気合が入ります。やはり初めて能と出逢う学生達に"本物"を感じてもらいたいからです。たとえ意味がわからなかったとしても。そして何年か何十年か先、いつかお客様として帰ってきてくれたらこんなに嬉しいことはないのです。
今年の秋には私が企画して、母校暁星高校の生徒達を観世能楽堂に招きます。なんとか彼らの心にも何かを刻みつけてやりたいものです。今日の舞台で改めてそれを痛感しました。

やっぱり携帯で投稿するのは大変だ。指と目が疲れる‥
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by munenorin | 2008-06-20 00:17 | 能楽日記