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能楽師・武田宗典の舞台活動・観劇活動を中心にした日記的四方山話


by munenorin

国立能楽堂『隅田川』

今日の夜は国立能楽堂で、関根祥六師がシテの『隅田川』。能が世界に誇る悲劇の傑作です。子方を従兄・友志の子、章志が勤めました。

私も地謡の末席でしたが、今日の舞台、演者の側から申し上げるのは甚だ不遜かもしれませんが、年に何回かあるかどうかというような、とても良い舞台だったのではないかと思います。演じ手・お囃子・地謡・客席・・・全てのバランスがうまく行って、とても集中力の高い舞台になっていたように思います。それにしても御歳80歳の関根祥六師、真夏に大曲『隅田川』を勤められるというのは、本当に只者ではありません。やはり素晴らしい役者さんでいらっしゃるなぁ、と改めて感じ入ってしまいました。これからもお身体を大切に、少しでも永く良いお舞台を作って頂きたいと思います。

今日は朝から観世会定期能の申し合わせ等もあり、一日が非常に長かったのですが、こういう舞台に出逢うことができると疲れも吹き飛びます。また明日も一日頑張って参りましょう!
by munenorin | 2011-08-05 23:31 | 能楽日記