人気ブログランキング | 話題のタグを見る

能楽師・武田宗典の舞台活動・観劇活動を中心にした日記的四方山話


by munenorin

本当の復帰戦

昨日は花影会。『国栖』の天女の役を頂いていました。

2月の七拾七年会以来、久しぶりに装束を着けて舞台に上がりました。つまりは怪我をして以来、初めて装束を着けて舞台に上がったことになります。少し緊張しました。そのせいか若干気合が入りすぎた部分もありましたが、まずまず何とか無事に舞台を終えることが出来ました。

『国栖』の天女は謡が無くて、舞を舞うだけの役なのですが、『楽(がく)』というお囃子に合わせての舞があり、これがなかなか足拍子の多い舞なのです。トントンとリズミカルに踏むものなので、装束を着けて舞った時に果たしてどれくらい膝に負担がかかるかと思いましたが、それによる影響はほぼ皆無だったようです。

ただ今回舞ってみて思ったのは、怪我をする前に舞台に上がっていたときでも、それなりに膝に負担が掛かっていたのだな、ということです。今回怪我をしたことではじめて膝を強く意識しながら舞いましたが、今まではそのことに無意識で気が付いていなかっただけなのです。

因みに明後日は研究会で『鞍馬天狗』の仕舞を舞います。これも豪快さが身上のなかなか激しい舞ですが、自分の身体としっかり対話しながら、大切に舞台を勤めたいと思います。
by munenorin | 2010-04-19 23:44 | 能楽日記