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能楽師・武田宗典の舞台活動・観劇活動を中心にした日記的四方山話


by munenorin

沖縄「能と組踊」

昨日の夜、沖縄より帰京しました。

今回の能の演目は『芦刈』と『隅田川』でしたが、それぞれの日に組踊では『花売の縁』と『女物狂』という二つの演目が上演されていました。これは能・組踊のそれぞれの演目が大変似通ったストーリーになっているからで、特に『花売の縁』の方は『芦刈』に題材を得て作られた作品なんだそうです。

私は両日とも楽屋のモニターから拝見していました。
例えば地謡が登場するところなど、能と同じような作りになっている部分もありますが、組踊の舞台上での演じられ方は、決して能と似ているというわけではありません。私の印象では歌の部分は長唄のような、台詞の部分は京劇に近いような感覚。しかしそれに沖縄独特の楽器音楽が加わるので、やはり沖縄オリジナルの演劇としての存在感があります。そして子役が重要な役割を果たしているようで、舞台上で大活躍していました。皆さん綺麗な発声をされているのがとても印象的でした。

ホテルでも暇な時間にテレビをつけていると、沖縄独自の演劇・音楽などの番組が結構放送されています。この狭い土地の中で、実に多くの方が何らかの芸能に携わっているんですよね。大変文化意識の高い土地なんだと思います。

今回は仕事として沖縄に行きましたが、時間があったら今度はプライベートで訪れてみたいと強く思いました。そしてもっと色々な芸能に実際に触れてみたいと思っています。

ちなみにこの「能と組踊」の公演は、東京の国立能楽堂で3月28日、29日に同じ演目構成で行われます。もしご興味のある方はぜひどうぞ!
by munenorin | 2009-02-10 00:45 | 能楽日記