能楽師・武田宗典の舞台活動・観劇活動を中心にした日記的四方山話


by munenorin

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ウイスキー観、変わる

今日は朝から御家元の稽古。ほぼ休み無く午後から夜までは父の稽古と、久しぶりに一日中すべて稽古三昧の一日でした。

そして夜は、幼稚園時代からの友人からの誘いで、銀座のとあるバーへ。

先日この友人に会った時に、「ウィスキーがべらぼうに旨い店がある」と誘いを受けたのです。私自身、お酒の中でもウィスキーは最も好きなものの一つなので、3日ほど酒を断って今日に臨みました。

お店は創業50年ほどだとか。銀座のど真ん中にありながら、とても落ち着いたお店です。そして友人に勧められるまま、「飲み比べ」というコース(?)をお願いしました。

そして最初に出てきたお酒は「マッカラン」の10年物。大変良いお酒ですが、今は日本国内でも手に入りやすいお酒の一つです。ところが一口含んだ途端、「なんだこれは?!」という感じ。またさらに後味にまったくくどさやいがらっぽさが無く、普段飲んでいるウィスキーとは明らかに違います。

その理由は、「欧州で実際に売っているウィスキーだ」ということ。

じつはウィスキーに限らず、ウォッカ・ジン・バーボンなども、日本国内向けに輸出されているものと現地で売っているものはまったく違うそうです。日本国内のウィスキーと比べてみると、そのことがはっきりとわかります。つまりそれが「飲み比べ」ということなのでした。

瞬く間に5杯ほどを平らげました。それもすべてストレート。時間は1時間足らず。

本当に美味しいお酒が人の魂を根底から揺さぶるもので、作っている土地や作り手の心が如実に表れるものなのだ、ということが初めてわかりました。つまりそれが、蒸留酒のことを「スピリット」という謂れなのでしょうね。

今までのウィスキーは一体何だったんだ?という思いがしました004.gif
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by munenorin | 2009-04-29 00:39 | オフ、ふっ、ふ。

変わらぬ思い

b0145146_2323375.jpgb0145146_2385832.jpg昨日は大学時代の親友、ベンマスさんの横浜の新居にお邪魔しました。写真を見てわかるように、とてもマンションとは思えない外観です。ホテルか、ディズニーシーかというような造りです。

何でも、ちょうど世界恐慌になりかけたタイミングで購入したので、比較的安価で手に入れることが出b0145146_23131433.jpg来たとか・・・。いやはや、時代を読みきった頭脳とその運の良さには本当に驚かされました。

昨日は実に数年ぶりに、大学のサークルの同期男子全員が集うという催しだったので、まじめな話からおバカな話まで、ほぼ夜を徹して続けられました。

私達は全部で5人の男子仲間です。でも今から9年前の大学卒業直後に、そのうちの一人が病気で亡くなりました。昨日は皆で旧いアルバムを見ながら、その仲間も含めた大学時代のたくさんの思い出を懐かしんでいました。写真と比べ、頭髪が薄くなったり、肌つやが衰えたりということがだんだんとあからさまになっていく状況の中で(笑)、ただ一人、その仲間だけは私達の中で永遠の青年でした。それが少し羨ましくもあり、また一緒に歳をとっていくことが出来ないことの寂しさもありました。でもこの5人、この仲間だけは一生変わることが無いだろうな、というのを昨日改めて実感しました。

ベンマスさんのところには2月に子供が生まれました。これからもそれぞれがいろいろな人生の局面や節目を迎えることになるでしょう。そんな時に、お互いが喜びも悲しみも共有できる仲間であり続けたいと、いま強く思っています。
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by munenorin | 2009-04-25 23:32 | オフ、ふっ、ふ。

花見の稚児達

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今日は渋谷の観世能楽堂で花影会当日。演目は伯父・志房がシテの『絵馬』と従兄弟の文志がシテの『鞍馬天狗』でした。

『鞍馬天狗』では物語の前半に、鞍馬山でお花見をしているという設定の稚児達が舞台に登場します。今日出演の稚児達はなんと総勢12人!!観世能楽堂の橋掛かりに並ぶことの出来るギリギリの人数でした。しかも12人のうち、3歳児が4人に4歳児が1人。年齢が二桁になっているのは10歳の牛若の藤波重紀君だけという、大変幼くて可愛らしい御稚児さん達でした。

これだけの大人数でしかも小さい子ばかりとなると、舞台上でも楽屋内でも何か起こるのではないかと少し心配していましたが、幸いにして何事もなく、皆無事にしっかりと舞台を勤め上げていました。

写真は出番前に楽屋で撮影したオチビちゃん達です。ちょっとピンボケしていますが、中央で笑っているのが、お馴染み友志の長男章志で、右は馬野正基さんのご長男・訓聡(くにあき)君です。あまり普段楽屋で写真は撮らないのですが、あまりに壮観だったので今日は思わず撮ってしまいました(笑)。

自分も初舞台はこの『鞍馬天狗』の花見でした。2歳11ヵ月だったのでもちろん何も覚えてはいませんが、当時の親たちの苦労は如何ばかりであったかと思います。今日舞台を踏んでくれた子供達が、将来能楽界に欠かせない人材になってほしいと心から思います。
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by munenorin | 2009-04-19 19:22

日本文化をめぐる旅

昨日、一昨日は大阪・宝塚でした。

一昨日の大阪では、稽古終了後に心斎橋そごう百貨店で開催されている、「第34回紅会 全国展」に行ってきました。
b0145146_0292749.jpgこの「紅会」は日本刺繍の全国展で、着物・帯・ハンドバッグに掛け軸・屏風など、約150点が一堂に集められた展覧会です。私の大阪のお弟子さんがその主任の一人をなさっているので、今回初めて足を運びました。
撮影禁止のため写真をお見せできないのが本当に残念ですが、実に素晴らしいデザインの数々でした。毎年何かテーマが決まっていて、それに則って作品を創り上げるそうなのですが、今回は”オリエントへの憧れ”というテーマで、中央アジア地域のモチーフを取り入れた、とても斬新なデザインでした。またそれが日本伝統の着物や帯などに見事にマッチしていて、なにか自分の想像力が掻き立てられるようでした。中には5年の構想・製作期間を費やして創られた作品もあるそうです。この技術を使って、能装束として使用する腰帯や鬘帯を製作することもあるそうなので、いつか良い形でコラボレーション出来れば・・・と思いました。

b0145146_044028.jpgその日の夜はお知り合いに連れられて、宝塚市内にある「あかつき」というお店へ。何をいただいても美味しいのですが、特に絶品だったのは「鱧とたまねぎの煮込み鍋」。おそらく全国でこのお店でしか食べられないであろう、滋味溢れる一品でした。そしてこの写真は、お店のマスターが酔っ払いながらも製作した、ラディッシュ製の造花です。小さな包丁を使って瞬く間に作り上げられました。この技術があればこその味なのだな、と妙に納得してしまいました。

そして昨日は宝塚謡サロン。多くのお客様とお天気にも恵まれ、また辛うじて桜も残っていて、本当に充実のサロンになりました。前回に引き続き、ご自宅を開放してくださったT様には感謝の言葉もありません。これからは少しずつでも継続的なサロンにするべく、またいろいろ知恵を絞って行きたいと思っています。

今回は関西3日間の旅でしたが、短い間でも、関西には行く度に何か必ず得るものがあるように思います。それを自分の将来・能楽の将来にしっかりと役立てて行かなければなりませんね!
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by munenorin | 2009-04-15 01:10 | 謡サロン

まだ残っていた

昨日から大阪です。

大阪謡サロン、今回も東京と同様、特集した曲は『田村』です。坂上田村麻呂の戦勝譚を主題としたお話ですが、前半部は桜の盛りの清水寺を舞台に物語が展開するため、春のこの季節にはピッタリの演目です。そして東京はもうすっかり葉桜になってしまいましたが、大阪にはまだ桜が残っていました!ちょうど昨日が桜吹雪だったようです。明日の宝塚にも少し残っていると良いのですが‥。

さて、昨日のサロン後に出たお話ですが、昨年と同様、近々また『舞サロン』を開講しようかと思っています。今回は"初心者クラス"と"中級者クラス"の二部に分けて行うかもしれません。詳細は未定ですが‥決まり次第またブログ上&謡サロンホームページ上でお知らせしますので、皆様ぜひ奮ってご参加下さい。

謡サロンはまたいろいろ新たな道を模索する時期がきているように思います。より多くの皆様に楽しんでいただけるサロンになるよう、今後も様々に趣向を凝らして行きたいと思っています。どうぞ今後共応援のほど、宜しくお願い致します。
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by munenorin | 2009-04-12 12:15

二つの感謝状

今日はとても感動してしまいました。

天皇皇后両陛下のことです。

今日が御成婚50周年、つまり金婚式に当たられるのですね。テレビでは過去の様々な映像や、お二人の懸命なご公務のご様子などが放映されていましたが、その画面を通じて拝見するだけでも、お二人の心の温かさ、国民を思いやる気持ちがにじみ出てきています。私は今までは特に”天皇陛下万歳”というタイプの人間ではありませんでしたが、今日の記者会見でのお二人の、相手を思いやる誠実な遣り取りを見て、ちょっとホロリとしてしまいましたし、すっかりファンになってしましました。

日本国民に心の癒しと感動を与えて下さるお二人に、いつまでも元気で長生きして頂きたい、と心から思います。
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by munenorin | 2009-04-10 23:36 | 四方山つぶやき

気がつかなかった

昨日は『観世会 春の別会』。

先日のブログで告知した『正尊』の立衆の”仏倒れ”は、お蔭様で何とか無事終了しました。ムチ打ちに近かった症状も日に日に良くなってきてはいるのですが、先日から続く慢性的肩こりと首のこりの解消のため、今日は稽古終了後に整体に行ってきました。

そこはマッサージによる治療が中心ですが、今話題の「酸素カプセル」なども置いてあります。もっともあまり頻繁には使われていないようなのですが・・・。今日私が来店したときには珍しくそのカプセルの中に人がいたので、思わず顔の部分の窓を何気なくのぞいてしまい、中の人と目が合ってしまいました。少し気まずいなと思っていたのですが、その人はそれからじきに帰って行きました。帰り際に整体師さんからこっそり、その人が女子フィギュアスケートの某有名選手だということを教えてもらいました。カプセルで目が合ったときにはまったく気がつかなかったのですが、声を聞いたら確かにそうでした。結構フィギュアは見るんですけど・・・026.gif

この治療院には個室が無く、他のお客さんとも普通に顔が合うような構造なのですが、その割には元首相やジャニーズの有名タレントさん、有名スポーツ選手などが数多く治療を受けに来られます。私も治療を受けていて思うのですが、”治療に誠意が感じられる”というのがここの最大の特長です。その人のその時の状態や過去の状況を考えて、臨機応変に治療をして下さるので、安心して身体を委ねることが出来ます。
ここは多くの人が見るブログなので詳細は明かせませんが、もしご興味のある方はメッセージやコメントをお寄せくださればお教えします。

因みに、フィギュアの選手は一年中身体が冷えているので、治療前にその「冷え」を取り除くだけでも1時間以上掛かってしまうこともあるとか。確かにあの氷のリンクの上を何時間も滑っていたら、身体はキンキンに冷えそうですよね。試合後のインタビューでもよく鼻をすすりながら会見していますよね。
しっかり身体を整えて、来年の冬季五輪に向けて頑張って欲しいものです。
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by munenorin | 2009-04-06 23:30 | オフ、ふっ、ふ。

気持ち良く倒れてきます

なぜか今朝は4時半に目が覚めてしまいました。昨日も11時半に床に就いてはいたのですが・・・睡眠サイクルがなかなか安定しないのは長年に渡る悩みの種の一つです。

さて、今日は「観世会春の別会」。演目は『海士 赤頭三段之舞』(シテ:武田尚浩)、『定家』(シテ:観世清和)、『正尊 起請文 翔入』(シテ:観世恭秀)の三番。”別会”というのは普段行っている”定期能”或は”例会”に対しての特別な会のことで、上記のような豪華な番組立てになります。

私は本日『正尊』に”立衆”として出演致します。この『正尊』では、ラストにシテの土佐坊正尊一味とツレの源義経一行とのチャンバラ場面があるのですが、”立衆”というのは土佐坊正尊の手下の者たちということです。このお話では最後に正尊は討ち取られますので、つまり”立衆”というのは早い話が”斬られ役”ということになります。
あまり事前に種明かしはしないほうが良いかな、とも思うのですが、本日この斬られ役で私は”仏倒れ”という死に方(?)をします。仏倒れとは、直立不動のまま仰向けにバタンと舞台に倒れる、能には珍しい離れ業の一つです。
自分が最初にこれをしたのは確か20歳前後の頃で、それから何回もしていますので特に不安はありませんが、先日この仏倒れの稽古をしたときに若干ムチ打ち気味になってしまったので、それだけが少し気がかりです。以前はこのようなことは無かったのですが・・・もしかしたら、もうあまり若くないぞというサインなのかもしれません(苦笑)。たぶん先日から続いている首から肩に掛けてのコリが、身体に余計な緊張を生んでしまったのでしょう。これが終わったら、必ず整体に行って治療をしたいと思っています。

何はともあれ、お客様にドキドキして頂けるよう(?)、綺麗に気持ちよく倒れてきます!
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by munenorin | 2009-04-05 07:08 | 能楽日記

日本の心

いよいよ春本番になってきましたね!この『能楽師 宗ノ凛』の壁紙同様、遂に桜満開の季節になりました037.gif

b0145146_00457.jpgこれは自宅から歩いて30秒のところにある桜の樹です。あまりうまく写せてはいませんが・・・。たくさんの木が咲き乱れているのも桜の素晴らしい絶景ですが、こうしてぽつんと一本咲いている桜の樹もまた風情があるものです。
この桜の樹、年々枝振りが広く、大きくなっているように感じられます。私はこの桜の樹を見ると、春の到来を実感するのですが、この樹のように、1年1年人間として大きく立派に成長していきたいものです。

それにしても花見というのは、良く考えるととても不思議な伝統ですね。『季節の花を見ながらみんなで酒を飲む』なんていう習慣は、世界各国探してもまず見当たらないでしょう。また桜は、満開の時期の短さ、散り際の美しさ、潔さなど、日本人の美徳と本当に良くマッチングしていると思います。

まさに日本人の心そのものですね。

あっという間に散るとはわかっていても、今年はいつまで眺めることが出来るだろう、出来るだけ咲いていて欲しいと願うのは、永遠に変わらぬ人間のささやかな抵抗ですね。

能にも桜をテーマにした作品が幾つかありますが、謡サロンでは今月は『田村』を特集します。よろしかったらぜひ気軽に春を体感しにいらして下さい。次は大阪・宝塚です!
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by munenorin | 2009-04-04 00:18 | 四方山つぶやき

大爆笑

今晩はTBSの『ドリフターズ結成45周年記念特別番組 8時だよ!全員集合スペシャル』を観ていました。テレビをのんびり自宅で見るのは本当に久しぶりです。

1969年から16年間、毎週土曜日に全国各地の公民館などを会場にしてすべて生放送で行われたという、現在の業界の常識からはかけ離れたお化け番組。最高視聴率は50%を超えたそうです。放送終了時に私は7歳。ギリギリ最後のドリフ世代です。ご家庭によっては”下品だから観てはいけません”という禁止令もあったようですが、私の家の場合は母がこの手の番組が大好きという大変恵まれた(?)環境だったので、毎週土曜はこの番組に噛り付くように見ていた記憶があり、ドリフターズには特別な思い入れがあります。大学生の頃には、ジャズクラブに高木ブーのウクレレライブを聞きに行ったこともあります。

見た記憶のあるコントも幾つかありましたが、今日改めて見直してみると、ライブの特性を活かした演出・構成の面白さ、長さんのドリフメンバーの役割分担の妙、加藤茶の絶妙の間の良さ、志村けんの形態模写の巧さなど、なぜ爆発的な人気があったのかがよくわかります。
そしてそんな小難しい分析はともかく、頬の筋肉が引きつり腹筋が痙攣するほど、今日はすべてを忘れて大笑いしました。こんなに大笑いするのも久しぶりです。笑うと何だか元気になりますね043.gif

皆様の生活にもたくさんの笑いが訪れますことを・・・

久しぶりの記事更新がこんな感じでスミマセン026.gif
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by munenorin | 2009-04-02 00:02 | オフ、ふっ、ふ。