能楽師・武田宗典の舞台活動・観劇活動を中心にした日記的四方山話


by munenorin

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昨日から大分です。


一昨日夜に関西から一旦帰京して、すぐまた翌朝から大分というのは少しきつかったのかもしれません。昨晩はホテルに戻ってきたら、あっという間に眠りに落ちていました。

今回の大分は『志諷会 志鳳会大会』。伯父・武田志房の九州のアマチュアのお弟子さん達の発表会です。あと一時間後に開演します。

今回はお弟子さん方の発表だけではなく、いとこの友志の長男・章志の番外仕舞『老松』の九州御披露目もあります。

昨日は移動の疲れもあって、やや気持ちの浮き沈みのあった章志ですが、きっと今日はやり遂げてくれるはずです。
彼の真剣な思いを受け止めてあげられるよう、自分もしっかり地謡として参加したいと思います!
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by munenorin | 2008-11-30 07:57

癒やしの水・人・土地

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今日はゆの里で謡サロンでした。
特集した曲目は『邯鄲』。一曲をじっくり堪能して頂く形式の謡サロンは、ゆの里さんでは今回が初めてだったので、大阪・東京で特にご好評いただいた『邯鄲』を第1回の曲に選ばせていただきました。
『邯鄲』はメッセージ性といい、構成・演出といい、とても完成度が高い能の傑作の一つです。その演目の持つ力もあり、今回のサロンも概ねご好評を頂くことが出来たようです。
来年1月から、隔月でゆの里さんには謡サロンで伺う予定ですが、いついらして頂いてもお客様に楽しんでいただけるサロンを目指して行きたいと思います。

さて、再三このブログ上でもお話している通り、ここで湧き出す水には本当に不思議な力があり、飲み水・温泉・農業用水とどれに使用しても、通常では信じられないような効果をもたらします。私も根はそれほど素直な方ではありませんが、ここのお水の不思議さには、その効果を目の当たりにするだけに素直に驚いてしまいます。

そんな『癒やしの水』の力が、人の身体だけでなく心の中心まで癒やしてくれます。そしてこちらにいらっしゃる皆さん、繊細さと豪胆さを併せ持つ社長さん(女性です)をはじめ、すべての従業員の方々が本当に温かく、素晴らしい気配りの持ち主でいらっしゃいます。
そしてそんな皆さんのいる橋本市神野々(このの)の地。高野山の麓にあって周囲には畑や川が広がり、晴れの日も曇りや雨の日も、風光明媚な穏やかな景色が人の心を癒やしてくれます。

癒やしの水と人と土地が三位一体となった、この「ゆの里」。来年から2ヶ月に一度伺うことが出来ることを、とても幸せに思います。
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by munenorin | 2008-11-28 20:30

舞サロン2日目

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昨日は大阪舞サロン2日目。

写真は一昨日のサロンも含めた皆さんの仕舞体験風景です。
昨日参加の方達も、皆さんしっかりと集中して舞台に上がられていました。繰り返し身体を動かすたびに、皆さん目に見えて上達していくので、こちらとしてはお教えするのがとても楽しくて、やりがいがありました。

次回がいつになるかはまだわかりませんが、来年辺りもう一度舞サロンを開講したいと思います。

昨日は舞サロン終了後、和歌山県橋本市の温泉施設『ゆの里』に移動して、今日はこちらで謡サロンです。今月からだいたい2ヶ月に1回程度、この「ゆの里」で謡サロンを開講致します。
こちらは何より、ちょっと他では例を見ないくらい温泉がとても素晴らしいので、ご遠方の方でも足を運ばれるだけの価値があると思います。

仕事で伺っている場所ではありますが、心も身体も癒されるこのお湯に浸かるのが、いつも最大の楽しみです!
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by munenorin | 2008-11-28 09:41

舞サロン

今日から関西3日間です。

私にとってすっかりライフワークになった『謡サロン』。今年の1月から大阪を中心に各地で行ってきましたが、今日はその発祥の地・大阪で、初の『舞サロン』でした。

『謡サロン』は私の謡や解説を聞いて頂きながら、能一番の楽しさを感じていただくというのが基本スタイルです。最後には必ずちょっとした謡の稽古もありますが、メインはやはり「謡を聴く」ということです。

では『舞サロン』はというと、これは論より証拠、とにかく皆さんに舞台の上で身体を動かしていただくことをメインとした、本格的な稽古に近いスタイルです。舞台に立つ、ということでより『能を体感していただく』という感じでしょうか。

今日ご参加の方は全部で七名。そのうちお二人は経験者でいらっしゃいますが、他の方は皆さん初体験で、中には謡サロンも含めて初めて参加という方もいらっしゃいました。

自分としても全く初の試みでしたし、複数の人数でされていることなので、正直通常の個人稽古の半分も進めば充分かと思っていたのですが、その予想は良い意味で裏切られました。
皆さんのセンスが良いことももちろん(本当にお一人の落伍者もいらっしゃいませんでした)、参加の皆様同士が良い意味で刺激しあって、結局通常の個人稽古の二倍近い速度で稽古が進みました。
それに加えて、皆さんが一様に楽しそうにされていたこと、これが最大の成果でした。

今日の初の『舞サロン』は大成功だったと思います。またこれを機に、各地でさせていただきたいと強く思うことが出来ました。

さて明日はお子さんも参加できる回。今からとても楽しみです!!
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by munenorin | 2008-11-27 00:13

来年1月の大舞台

昨日はせっかく早めに寝たのに、結局今朝は午前4時に目が覚めてしまって、それから事務仕事→掃除→稽古→お針子→お昼ごはん→稽古→掃除→荷造り→夕ご飯→事務仕事→ブログという段取りで、長い一日を終えました。我ながらよく頑張ったものだ、と思います004.gif

さて、今日は改めて舞台のお知らせを。来年一月に私にとって大変大きな舞台があります。

催し名は、明年1月4日(日)、渋谷区松涛の観世能楽堂で致します『観世会定期能』。
毎年1月の観世会定期能では、お正月を記念して『翁』という御神事のような特殊な演目が上演されるのですが、来年その『翁』で、私は露払いの「千歳」という役を勤めさせて頂くことになりました。
この「千歳」は若手の登竜門的な要素を持ち、「披き物」とも呼ばれる大変重要な役柄です。私自身「千歳」は6年半ぶり2回目ですが、この『観世会定期能』で家元に翁を勤めて頂いての「千歳」は、おそらく一生で一度きりなのではないかと思います。

お正月の大変お忙しい時期とは思いますが、新年を寿ぐ『翁』をはじめとしたおめでたい能の舞台で、新しい年を清々しく迎えられてはいかがでしょうか?
開演は11時、なお『翁』は開演致しますと途中の入退場が一切出来ませんので、くれぐれもご注意ください。
この会の詳しい番組等をご希望の方・チケットをお申し込みになりたい方・何かお尋ねになりたい方は、このブログ上やミクシィのコメントでも承りますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

皆様のご来場、心よりお待ち申し上げています040.gif 
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by munenorin | 2008-11-25 22:53 | 宗典舞台予定

冷たい雨

今日は東京は一日中雨でした。気温もグッと下がって、文字通り冷たい雨の日でしたね。

今日はほぼ1日家で作業していましたが、夕方から2時間ほど稽古もしていました。徐々に筋肉痛になってきています。

今週は明後日から地方廻りの日が続きます。風邪も流行っているようですし、今日は早めに休もうと思います。
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by munenorin | 2008-11-24 23:47

久しぶりに‥

このところ、なかなか思うに任せて稽古の出来ない日が続いていたのですが、今日は久しぶりにじっくりたっぷりと集中して稽古することが出来ました。

年末の七拾七年会はもちろんのこと、来年1月4日の観世会定期能では『翁』の千歳の大役を頂戴しています。こういう時は、とにかく空いている時間を見つけてガンガン稽古しないとどうも落ち着きません。

稽古には技術の修練に加え、精神を安定させる要素もあるように思います。
とにかく目一杯稽古しないと!
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by munenorin | 2008-11-24 00:58

おもし?

今日は新潟市の「りゅーとぴあ能楽堂」で「秋の能楽鑑賞会」でした。曲目は大曲の『道成寺 赤頭』。シテは山階彌右衛門師です。

昨日の松能会の舞台終了後、そのまま新潟に移動して今日の舞台でした。
『道成寺』は舞台の中心に、人が一人入ることが出来るくらい重くて大きな鐘を吊るす、非常に特殊な曲なので、大道具の鐘だけを担当する「鐘後見」と呼ばれる役割の人たちがいます。

私は今日は人生で二回目の鐘後見でした。

鐘後見は全部で5人。それぞれに明確な役割があります。
簡単に分けると、二人が鐘の上げ下ろしをし、あとの二人がその人達の重りとなって上げ下ろしをサポートし、もう一人が鐘を吊るした綱を結んだり解いたりする役割です。その俗に「綱捌き」といわれる役割を私は以前にさせていただいたのですが、今日させて頂いたのは俗に言う「重し」でした。鐘はとても重いものなので、鐘を引くときに身体が引っ張られないように、綱を引く人に全体重を乗せて、その身体を固定させる役割が「重し」なのです。

実際にご存知の方は良くわかると思うのですが、私は身長こそ174センチありますが、体重はかなり軽い華奢な体格です。正直なところ、この「重し」を自分がする日が来るとは思っても見ませんでした。たぶん適当な人がいなくてお鉢が廻ってきたのだと思いますが、今日幸いだったのは、鐘がそこまで重くなかったということでした。
鐘はそれぞれの能楽堂に備え付けてあることが多いのですが、ここ新潟にはないため、わざわざ横浜能楽堂から運んできたのでした。それが、例えば観世能楽堂にある鐘と比べると、おそらく3分の2程度の重さだったのです。

そんな理由もあって、それほどこの身の軽さが迷惑を掛ける事もなく、何とか無事鐘後見は終了しました。初めてさせて頂く「重し」としてはかなりラッキーだったように思います。しかし、今日の経験や、私が今日重しになった関根祥人さんからのアドバイスをしっかり心に刻んで、いつかまた来るであろう(?)重し担当の日に役立てたいと思います。
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by munenorin | 2008-11-23 01:57 | 能楽日記

幻想の姫君

今日は夕方から、青山にある『鐵仙会能楽研修所』で『松能会』の舞台でした。
松能会は同門の松木千俊さんが主催している能一番と仕舞だけの会で、今日は能が『楊貴妃』、仕舞は『鍾馗 キリ』と『邯鄲 楽アト』でした。私は『鍾馗』の仕舞と『楊貴妃』の地謡でした。

『鍾馗』は中国の鍾馗様の伝説に基づいた話です。進士の試験に落第したことで自殺した青年が、死後に神霊となって、宝剣を引っ提げて悪鬼を退治し、国土を守護するというストーリーで、キリの仕舞では、その後半部を大変勇壮に舞い表します。
この仕舞を舞わせていただくのは、私は今回が初めてだったのですが、短い中にも独特の型があり、またペース配分にも工夫が必要であったりと、なかなか手応えのある仕舞でした。大きなミスはなかったとは思いますが、お客様がどのように観てくださったのか、大変気になるところです。

さて、もう一番の『楊貴妃』ですが、これも中国の有名なお妃の話ですね。能ではこの楊貴妃は少し変わった解釈で描かれています。
楊貴妃の死後、その死を悼んだ玄宗皇帝が方士(占い師)を派遣して楊貴妃の魂の在処を探ると、蓬莱宮(仙界のような所)で楊貴妃と巡り会うことが出来ました。楊貴妃は実は仙界から人間界に舞い降りた仙女だったという解釈なのです。方士は玄宗皇帝に、楊貴妃と確かに会うことが出来たという報告をするため、貴妃に形見の品を求めます。貴妃は最初は鳳凰を象ったかんざしを渡しますが、それに加え、生前皇帝と交わした二人だけが知る愛の言葉を方士に託します。そして人間界での暮らしを懐かしんで舞を舞い、やがて方士が帰って行くと、楊貴妃は涙ながらに見送るというストーリーです。

ファンタジー性と切なさに満ち溢れた曲で、私もかなり好きな曲なのですが、今日はシテももちろんのこと、特に地謡がかなり良かったのではないか、と思っています。私も参加していたので自画自賛のようになってしまいますが、地頭を勤められた浅井文義さんの謡が、曲のしっかりとした解釈に裏打ちされた明解なものだったからなのです。
浅井さんは私たち観世会とは違い、観世鐵之丞家を頭に戴く鐵仙会の所属ですが、舞台やお酒の席にたびたびお声を掛けていただくなど、公私共に大変お世話になっている先輩です。
自分も来月、七拾七年会で『安達原』の地頭を勤めますが、少しでも浅井さんを見習っていけるよう、精一杯取り組みたいと思いました。
今日は良い舞台に参加させていただくことが出来て、本当に良かったです!
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by munenorin | 2008-11-21 23:23

素敵なお土産

昨日お伝えしたとおり、今日は研究会当日。父が『花筐 筐之伝』のシテでした。

父は朝から会議、公演終了後も22時半まで会議と、会議に挟まれての主役の舞台でしたが、いつになく声も良く出ていて、そんな疲れや日常を感じさせない舞台でした。きっと昨日の夕飯の馬肉料理の効果に違いありません004.gif
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さて、今日は父の舞台を毎回観に来て下さる、父の暁星時代の恩師から素敵なヨーロッパ土産をいただきました。ミュージカルファンならこの写真一発で分かると思いますが、オーストリア最後の皇后エリザベート妃の2009年度のカレンダーです。
ミュージカル『エリザベート』は1996年に宝塚雪組で初演の後、宝塚ばかりでなく東宝ミュージカルでも繰り返し再演されるなど、一大ブームを巻き起こしたミュージカルです。大学一年の時にはじめてこの作品に出会った衝撃は今も忘れられません。
このお土産を買ってきてくださった先生は既に80歳近いと思いますが、なかなかのセンスの持ち主だと思いました001.gif
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by munenorin | 2008-11-20 02:28 | 能楽日記