能楽師・武田宗典の舞台活動・観劇活動を中心にした日記的四方山話


by munenorin

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今日は第三回目くらいの(?)ホームページ打ち合わせでした。

ページ上に掲載する全ての写真などを渡し、細かい文章や情報提示の仕方などを1時間半くらい打ち合わせました。
これで第二稿が出来上がって、最終打ち合わせが済むと、いよいよ開設となります。ただ、PCからだけでなく、携帯からも閲覧できるように携帯用のホームページも同時進行で作成中なので、もしかしたら開設は11月上旬くらいまでずれ込むかもしれません。なんだか延び延びになっているのが心苦しいのですが007.gif

今年はブログにホームページ、そして謡サロンなど、いろいろなことを始める年になりました。これからはしっかり頭を使って、それらのコンテンツをさらに進化させて、より皆さんに楽しんで頂けるような物にしていきたいと思います。
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by munenorin | 2008-09-30 01:57 | 能楽日記

武田修能館歌仙会

昨日はそっけない記事でスミマセン。

昨日お知らせしたとおり、今日は中野坂上にある伯父の家の稽古舞台『武田修能館』で歌仙会でした。

さて、では歌仙会とは何なのか・・・。

平安中期、藤原公任が選んだと伝えられる、36人の優れた歌人達がいました。その歌人達は通称『三十六歌仙』と言われるのですが、それに因んで、能の演目36番を一日で謡い切ってしまおうという催しなのです。
私の主宰する「謡サロン」にお越しの方はご存知だと思いますが、能楽には総合ミュージカル演劇としての能という上演スタイルだけではなく、謡という台詞・歌だけで物語を伝える「素謡(すうたい)」という形式があります。その素謡の形式で、全く省略等することなく36曲上演するのです。

しかし能を少しご存知の方ならお分かりになると思いますが、謡だけとは言ってもまともに上演するとかなりの時間が掛かります。曲によっても長さやスピードがかなり違いますが、平均すると30~40分くらいでしょうか?となると普通に上演したら20時間くらい掛かってしまうことになるかもしれません。それはいくらなんでも無理がありますよね。

ではどうするか、というと・・・ものすごく速いスピードで謡うのです。

通常、謡というものには『位(くらい)』と呼ばれる、スピードや謡い方の基準が曲ごとにあり、それが延いては全ての芸の指針となっているのですが、この『歌仙会』だけはそれをあまり考えずに、スラスラと謡って良いことになっているのです。ただし条件として、しっかり力を入れた声で謡わなくてはならず、節付けなどのメロディーの上げ下げ等は正確に行わなければならないということになっています。
今日は同門の松木千俊氏のお素人のお弟子さん方をはじめ、プロの能楽師6人と40人近いお素人のお弟子さん方とで一緒に会を盛り上げて行きました。

この歌仙会自体は、以前は我々武田同門内でも何度か行われていたようなのですが、少なくとも20年以上行われずにいたのを、今回松木氏のご提案で復活させることになりました。というわけで私は人生初の体験でした。

プロの能楽師が6人。それを各曲概ね3人ずつで謡う為、普通に出ていればおよそ18曲です。結局自分は半分を少し超えて22曲出演しました(地謡は自由参加制なので、自主性によって出演数が違います)。お素人ではお一人が36曲皆勤、もうお一人35曲出演というツワモノもいらっしゃいました。ただプロとアマチュアの皆さんとの決定的な違いは、アマチュアの皆さんは謡本を見て謡う事ができる、我々は全て覚えて舞台に出なければならないということです。まぁ当たり前のことではありますが。
正直なところただ覚えて普通に謡うだけなら、今までの蓄積もありますし、全曲でも乗り切ることはそれほど難しいことではないと思います(ただし長時間の正座による足の痛みを別にすれば、ですが)。
しかし「ものすごく速く謡う」ということが思いのほか大変なのです。まず思い出したり、考えたりしている暇もないので、完全に覚えていたつもりでもふと謡が出なくなることがあります。また普段謡い慣れている曲のスピードから違うスピードにすると、違う曲が口をついて出てきたり、ひどい時にはろれつが廻らなくなったりするのです。これには本当に焦りました008.gif

それでも何とか無事に乗り切り、結局朝9時から始めてノンストップで18時ちょうどまで。総計9時間、一曲平均15分ですから、通常の2倍以上の速度で謡っていたことになります。その後の宴席でも話が出たのですが、これは一般的に見てもかなり速いスピードだったようです。

このお話で分かるように、この「歌仙会」というものは、どちらかといえば人にお見せするための催しというよりは、謡に携わる人達の究極の研鑽方法として考え出された手法なのだと思います。
この間お知り合いになった方から、「芸術にプロもアマチュアもない」ということを仰って頂き、とても印象に残っています。私も全くその通りだと思います。だから今日もプロ・アマチュアに関わらず、「謡を愛する人たち」が精一杯謡を謡い、充実のひと時を過ごしたのです。

現在は謡曲を習われている方が極端に少なくなってきてしまっているのですが、ぜひお一人でも多くの方に実際に声に出して頂き、謡の魅力を楽しんで感じて頂けたら、と心から願っています。そしていつの日か、私のお弟子さん達と素敵な『歌仙会』を開催してみたいと思っています001.gif
これからも皆さんに謡や能の素晴らしさを伝えるために、精一杯頑張ってまいります!
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by munenorin | 2008-09-29 00:26 | 能楽日記

明日は歌仙会

現在そのための最後の追い込み勉強中!

切羽詰まっているため、歌仙会についての詳細説明はまた明日あらためて致します。

もはや観念するより他ないのか‥
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by munenorin | 2008-09-27 23:19

アプローズ

今日は夜に、大久保にある東京グローブ座にミュージカル『アプローズ』を観に行ってきました。
目が廻るほど忙しい中いったい何をやっているんだという感じなのですが、自分自身の舞台も稽古も、観ておきたい舞台も、いつも全てが不思議と重なってしまうものなんです。こればかりは生まれついた巡り会わせなのかもしれません。

『アプローズ』の主な出演者は前田美波里さん・貴城けいさん。『アプローズ』はブロードウェイの舞台で起こる、ベテランの大女優と新進の女優との間で起こる対立が話の軸となっています。ダンスナンバーやミュージカルナンバーが豊富で、展開にも独特のスリル感があり、何より二人の心の移ろいがしっかりと描かれていて、観ている者を最後まで飽きさせません。

新進女優役を勤められている貴城けいさんは宝塚の元トップスターで、以前からお知り合いなのですが、1年半前に宝塚を退団されてから、今回が実質上初めてのミュージカル挑戦でした。宝塚時代は15年以上男役でしたが、それが退団後はもちろん女性になるわけです。お人によってはその切り替えに長い間苦労する場合もかなりあるのですが、彼女の場合はわずか一年あまりですっかり自然な女役になっていました。ただミュージカル初挑戦とは言っても、退団後かなりの数の舞台やテレビ等をこなしていたので、その経験の蓄積もあるとは思いますが・・・。

かれこれ10年以上彼女の舞台を拝見していますが、今回とても嬉しく思ったのは、男役・女性役としての違いはあっても、宝塚で培ってきた経験や勉強が、退団後の舞台にもしっかり生かされている、ということでした。ミュージカルという総合力の必要な舞台だと、特にそれがはっきりと分かります。前田美波里さんの持つ、とても強烈な発散力に充ちた魅力や存在感に引けを取らない、抑制の効いた存在感と凛とした美しさがありました。
普段はざっくばらんな面もある方ですが、舞台のこととなるととても謙虚で誠実で、いつもその姿勢を見るにつけ、頭の下がる思いです。

今回も強引に時間を作って観に行きましたが、自分自身に良い影響を与えてくれるものは何物にも代えられません。それを自分自身のエネルギーに変えて、また明日以降の舞台や稽古にしっかりと邁進して行きたいです。
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by munenorin | 2008-09-27 01:35 | たまの観劇日記

がんばれっ!

今日は午前中が東京観世会の申し合わせ。午後から一つ話し合いをして、引き続いて父の稽古日でした。

父のお素人の稽古は伯父の稽古舞台である『武田修能館』でするのですが、今日はその稽古の最中に従兄弟の友志が姿を見せました。何でも、もし稽古に空き時間が出来たら、章志の初舞台の稽古に舞台を使いたいとの事。幸いうまく空き時間が出来たので、18時半頃から章志の稽古をすることが出来ました。

師匠はもちろん父である友志。私と父はギャラリーです。

本当に全ての動作が愛らしくて、ギャラリーとしては思わず出てしまう笑みをこらえるのに必死だったのですが、稽古は無事終了。一番感心したのは、稽古前と後に、師匠の友志に「よろしくおねがいしまっす!」「ありがとうございましたっ!」と大きな声でしっかり挨拶できるようになっていたこと。これがまずは大前提の基本ですから、これが出来た時点でまずは合格といっても良いくらいなのです。

まだ3歳4ヶ月。稽古の最中に心の中で「がんばれっ!」とエールを送っている自分がいました。花影会で地謡を謡うのが本当に楽しみです004.gif
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by munenorin | 2008-09-26 00:00 | 能楽日記
形になってきたというのはマイ・ホームページのことです。

昨日の晩に第一案が友人から送られてきました。大変シンプルではありますが、色々な情報がとても見易く作られていて、なかなかのデザインになりそうです。来週中に細かい部分を詰めて、早ければ10月上旬にも開設出来そうです。

最初は工事中のところなどもあってお見苦しい部分もあると思いますが、徐々に皆さんに親しんでいただけるページにしていきたいと思っています。

実は従兄弟の文志も現在ホームページを作成中で、近日開設予定です。今日はそのページ上にアップする装束写真の撮影の手伝いに行ってきました。お互い開設したらリンクを張る予定ですので、ぜひ並べて御覧いただけたら、と思います。

ホームページが完成してもブログは続けて行きたいと思っていますので、こちらも今後とも応援宜しくお願いします006.gif
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by munenorin | 2008-09-24 23:46 | 能楽日記

多謝

今日は謡サロンin宝塚。一昨日の大阪定期サロンから連続で三回目のサロンでした。

通常、定期サロンでは一つの演目にスポットを当ててその中から数箇所を聴いて頂くのですが、今日は特別版ということで、初番目物から五番目物までの代表的な演目各一曲ずつの、クライマックス部分を聴いて頂くというスタイルで進行致しました。

今日は天気も快晴。そして会場として使わせていただいたお宅が、建築デザイナーの方が直接改装されたお部屋ということで、斬新さと自然の温かさとが見事にマッチングした素敵なお家でした。そして声を出してみると、びっくりするくらい音響が良いのです。ただ単に声が大きくなるというだけではなく、心地よく声が染み透るような作りです。きっとお家に天然の素材が多く使われているからなのではないか、と思います。宝塚周辺の静かで美しい環境も含め、全てが理想的に感じられる素晴らしいお家であり、会場でした。快く開放して下さったT様ご家族には本当に感謝の言葉もありません。有難うございました。

そして今日ご参加いただいたお客様方。

初めて参加していただいた方がかなり多かったはずなのですが、皆さん大変に積極的で、結局のところ参加者の皆さんのお力で、素敵な謡サロンにしていただいたように思います。幕開きでは恥ずかしながら皆様をヒヤッとさせるような思わぬ失敗もあったのですが、それを最終的に素晴らしいサロンに転化してくださった皆様の温かさが、本当に身に沁みて嬉しかったです。
特に謡の稽古では、ちょっと感動してしまう位、皆様の声が一体になって聞こえてきました。稽古終了後には自然と拍手が出てしまいました。素晴らしい生徒さん達でした。

前述の失敗を含め、今回もいろいろな反省点がありました。それを糧に、今後もさらに皆様に楽しんでいただけるサロンを創り上げていきたいと思いますし、自分自身、舞台人として一層の精進を積んでいかなければならないと痛感しました。

昨日・一昨日の参加者の皆様、そして本日の参加者の皆様、本当に有難うございました。この3日間は自分にとって、いろいろと学ぶことのあったとても濃密な時間でした。秋口は我々能楽師は大変に忙しくなりますが、自分自身を見失わず、日々様々なことを吸収していきたいと思います。

最後に可愛らしい写真を。
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今日ご自宅を開放して下さったT様のお子さん、藍ちゃんです。夏休みの絵日記に、先月の謡サロンの模様や僕の絵を描いてくれました。照れ屋さんですが、とっても可愛くていつもサロンを楽しみにしてくれているようです。弟にまた可愛らしい、いつもニコニコの隆君がいるのですが、僕が写真を撮ろうとしたら逃げ回ってしまったので、今回はうまく撮れませんでした。次回はばっちり撮ってアップしたいと思います。
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by munenorin | 2008-09-24 01:11 | 謡サロン

一緒にお稽古

今日は大阪謡サロン2日目。お子さん参加可能の回ですが、今日は大人の方が多く、お子さんは1人だけ。よくこのブログ上の画像にも登場する、二歳の男の子です。
彼はお母さまが以前私に仕舞を習ってられたこともあり、生後4ヶ月の頃から私の謡を聴いています。
そんな彼が今日、謡サロンの体験稽古で初めて声を出して謡ってくれました!
いつも会場で笑顔いっぱい、気ままに遊んでいるのですが、今日も誰に強制されるわけでもなく、自然と私の謡を真似して、歩きながら楽しそうに謡っていました。

まだ言葉をようやく喋り始めたというくらいの彼が、こうして謡ってくれるのは本当に嬉しいことです。そして、『門前の小僧習わぬ経を詠む』ではありませんが、いつの日か自然にスラスラと謡を謡ってくれるのではないかと期待しています。

明日は謡サロンin宝塚、謡サロン特別版です。明日もお子さんが2人いらっしゃるので、どんな反応をしてくれるのか、今からとても楽しみです。
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by munenorin | 2008-09-22 17:15

謡サロン大阪

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今日は午前中に大阪に移動して謡サロン一日目でした。

この間の東京謡サロンと同様、取り上げた演目は『邯鄲』です。

謡サロンは、実演の部分など、ほとんどのプログラム内容はもちろん決まってはいるのですが、お客様との相互方向の催しであるため、お客様のご質問の内容などによって、その時々でアドリブ的に進行が変化したりします。今日は最後の謡の稽古まで入れて、総計1時間45分。今まででおそらく最も長いサロンでした。しかし明日はまた今日とは少し違う内容になるかもしれません。それがこのサロンの特徴であり、面白さです。
明日は明日でどんな展開になっていくのか、自分でもとても楽しみです。
さて、今日の宿泊は大阪市内。堺筋本町のほど近くにある『アリエッタ』というホテルに初めて泊まります。写真の通り、大変新しくて綺麗な、今流行りのデザイナーズホテルです。最近はこういったホテルが全国的に増え、しかも携帯サイトなどで予約すると、かなり安価な値段で泊まることが出来ます。
ここ数日は睡眠時間4~5時間程度の寝不足が続いていたので、今日はこのホテルでしっかり休みたいと思います。おやすみなさい。
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by munenorin | 2008-09-21 23:47
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今日は昼は稽古、夜は表参道ヒルズでシブヤ大学二周年パーティーでした。写真はそのパーティー映像です。

『シブヤ大学』とは聞き慣れない名前だと思いますが、非営利のNPO法人の名称です。そして大学という名前の通り、月一回、渋谷区内の数カ所で様々なタイプの講義を行っています。そして来年には私もこの『シブヤ大学』で講義をさせていただく予定です。

今日のパーティーでは様々なジャンルの方達と、新しい素敵な出会いがありました。皆さん自分の利益の為ではなく、世の為人の為、懸命に活動をされています。本当に頭が下がりますし、良い勉強になりました。

今日はそのあともう一つパーティーに顔を出さねばならなかったので、こんな時間になりました。
明日は午前中に移動して、大阪謡サロン一日目です。あまりグッスリと寝る時間はありませんが、集中してしっかり休みたいと思います。
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by munenorin | 2008-09-21 02:00