能楽師・武田宗典の舞台活動・観劇活動を中心にした日記的四方山話


by munenorin

カテゴリ:たまの観劇日記( 10 )

続き

もうお気付きの方も多いとは思いますが、昨日観てきた舞台は、新宿コマ劇場最後の公演「愛と青春の宝塚」でした。これは数年前に放送されたテレビドラマのリバイバルで、その時はメインキャストを藤原紀香さんや木村佳乃さんなどの有名女優さん達が担当していましたが、今回は舞台版ということもあり、全ての女性キャストを元宝塚(OG)の女優さんたちが勤めていました。


結果的に言えば、舞台のほうが数段面白かったです。やはり宝塚で実際に青春を過ごしてきた人達のリアリティやキャリアには、どんな名女優であっても叶いません。

それからもう一つ。「愛と青春の宝塚」というタイトルからは、なんとなく絵空事のような夢物語を想像してしまいますが、実際には戦時中の宝塚を題材にした、とてもシリアスでリアルな物語です。もちろんある意味ではクサイな、と思うような部分はあるのですが、舞台としての王道を突き進んだ演出が為されている作品で、きっと宝塚を観たことのない方でも楽しんで頂けるのではないかと思います。

こう書いていると、何だか「愛と青春~」の回し者みたいですが037.gif今月22日まで上演です。良かったらぜひ足を運んでみて下さい。

ますます回し者みたいですが・・・026.gif
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by munenorin | 2008-12-04 23:59 | たまの観劇日記

アプローズ

今日は夜に、大久保にある東京グローブ座にミュージカル『アプローズ』を観に行ってきました。
目が廻るほど忙しい中いったい何をやっているんだという感じなのですが、自分自身の舞台も稽古も、観ておきたい舞台も、いつも全てが不思議と重なってしまうものなんです。こればかりは生まれついた巡り会わせなのかもしれません。

『アプローズ』の主な出演者は前田美波里さん・貴城けいさん。『アプローズ』はブロードウェイの舞台で起こる、ベテランの大女優と新進の女優との間で起こる対立が話の軸となっています。ダンスナンバーやミュージカルナンバーが豊富で、展開にも独特のスリル感があり、何より二人の心の移ろいがしっかりと描かれていて、観ている者を最後まで飽きさせません。

新進女優役を勤められている貴城けいさんは宝塚の元トップスターで、以前からお知り合いなのですが、1年半前に宝塚を退団されてから、今回が実質上初めてのミュージカル挑戦でした。宝塚時代は15年以上男役でしたが、それが退団後はもちろん女性になるわけです。お人によってはその切り替えに長い間苦労する場合もかなりあるのですが、彼女の場合はわずか一年あまりですっかり自然な女役になっていました。ただミュージカル初挑戦とは言っても、退団後かなりの数の舞台やテレビ等をこなしていたので、その経験の蓄積もあるとは思いますが・・・。

かれこれ10年以上彼女の舞台を拝見していますが、今回とても嬉しく思ったのは、男役・女性役としての違いはあっても、宝塚で培ってきた経験や勉強が、退団後の舞台にもしっかり生かされている、ということでした。ミュージカルという総合力の必要な舞台だと、特にそれがはっきりと分かります。前田美波里さんの持つ、とても強烈な発散力に充ちた魅力や存在感に引けを取らない、抑制の効いた存在感と凛とした美しさがありました。
普段はざっくばらんな面もある方ですが、舞台のこととなるととても謙虚で誠実で、いつもその姿勢を見るにつけ、頭の下がる思いです。

今回も強引に時間を作って観に行きましたが、自分自身に良い影響を与えてくれるものは何物にも代えられません。それを自分自身のエネルギーに変えて、また明日以降の舞台や稽古にしっかりと邁進して行きたいです。
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by munenorin | 2008-09-27 01:35 | たまの観劇日記
さて、昨日は実は久しぶりに東京宝塚劇場で星組公演を観てきました。

昨日のブログでも少し状況をお知らせしたとおり、本当はやらなければならないことが山のようにあって、とてもそれどころではない部分もありました。しかし今回の作品が大変な評判でなかなかチケットが取れないというところに、偶然チケットを譲っていただけるというご連絡をいただいたので、とにかく何が何でもと観に行くことにしました。

結果はというと・・・本当に良かったです、観に行くことが出来て。間違いなく今年自分が観に行ったあらゆるお芝居の中で最高の舞台でした。宝塚でも少なくともこの5~6年の間で、大劇場で上演された作品の中でもっとも良い作品だったと思います。

題名は『スカーレット・ピンパーネル』。ブロードウェイミュージカルの宝塚翻訳バージョンです。
スカーレット・ピンパーネルとは、フランス革命直後のギロチンによる粛清の続いたフランスで、窮地に追い込まれた貴族達を救うために尽力したイギリスの秘密結社のことで、その結社の首領といわれる人物が主人公です。

まず作品に関して言えば、展開がとてもスリリングで且つ登場人物たちの内面がしっかりと描かれているので、2時間半のお芝居の中でまったく飽きさせる部分がありませんでした。また良質の他のブロードウェイミュージカルと同様、楽曲が大変に良く、ただ音楽と歌を聴いているだけでも充分に楽しめる要素があります。
そしてもう一つの要素である出演者なのですが、これが本当に最高の組み合わせでした。主演の安蘭けいさん・首領の妻役の遠野あすかさん・敵役の柚希礼音さんが役にしっかりとはまっていました。しかもこのお三方は現在の宝塚の生徒さんの中で随一の実力の持ち主であるので、芝居・歌唱力・ダンス力の全てがプロの為す業になっていました。特に主演の安蘭けいさんは、最初の楽曲の第一声から、観る人を惹きつけずにはいられない情感と伸びやかさがありました。もともと歌唱力には大変定評のある方でしたが、トップになられたことでさらに磨きが掛かったようです。

確かに慌ただしい中で観た舞台ではあったのですが、そんなことを全て忘れさせるくらいの求心力のある舞台でした。本当に素晴らしい舞台を観ると、理屈ではなく全てを忘れてしまいますね。
そんな中でも一つ思ったのは、やはり舞台人には基礎勉強がとても大切なんだなということです。このお三方とも本当に基礎の底力があるので、結果的にどんな役でもハマリ役に魅せることが出来たのだと思います。逆に言えば、基礎が無い人はどんなに自分なりにアレンジや工夫を加えたとしても、基礎のある人が創り上げる圧倒的な力や存在感には適わないのです。

自分もあと10年は、徹底的に基礎の勉強に終始していきたいと思います。
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by munenorin | 2008-09-20 00:30 | たまの観劇日記

歌劇観劇

昨日の夜に帰京しました。

昨晩は羽田空港からの帰りのバスでなぜか車酔いの様な症状になってしまい、自宅に戻ってからすぐに休んでしまったため、記事の更新が出来ませんでした。何だか小さな子供みたいで情けないですが・・・008.gif

さて、大阪謡サロンは一昨日で終了でしたので、いつもは1泊2日で帰ってくるのですが、今回は帰京を一日延ばしました。それは宝塚大劇場で行われている雪組公演を観劇するためです。およそ1年ぶりの大劇場公演観劇でした。
タイトルは「ソロモンの指輪」「マリポーサの花」のショー・ミュージカルの2本立てです。今回は大変珍しい、ショー→ミュージカルの上演順でした。
ショーは上演時間30分という小品。しかし短い時間に大勢の出演者が色々な格好で代わる代わる登場してくるため、いつものショー作品よりはむしろ華やかにみえました。ダンスの振付が一風変わっているのも印象的です。
対してミュージカルの方はフィナーレを含めて2時間の上演時間。通常だと1時間半程度なのでかなり長いのですが、不思議とその長さを感じさせません。話の筋を掴みにくい部分もありますが、台詞劇としてのやり取りが充実していて、それが物語に厚みを加えていました。

この雪組には、私が大学生くらいの頃から仲良くしている生徒さんたちがいるのですが、今回その生徒さんのうちの1人が退団されることもあったので、こうして宝塚の地で観劇することにしたのでした。
私と顔が似ていることもあったので、親しく「妹」と呼ばせていただいていましたが、やはり退団の舞台には胸が自然と熱くなりました。今回時間を作って観に行くことができて本当に良かったです。

良い舞台を観た後は無性に稽古したくなります。舞台人にとって、外からの刺激はやはりとても大事ですね。
今日はこれから思う存分、稽古をしてきます!
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by munenorin | 2008-08-27 12:06 | たまの観劇日記

ターャジス

昨日はアフリカ座公演「ターャジス~そうだ、コントをやろう」の初日を観てきました。会場は新中野にあるライブハウス「BENTEN」。去年まで私が出演していた劇団、unit-birthのメンバー2人が中心となって立ち上げた新劇団です。ただこの「アフリカ座」というのは、その昔つかこうへい劇団に所属していたメンバーが立ち上げその後解散していた団体のようで、今回は10年ぶりの復活ということにもなるようです。もっともその頃とメンバーは大きく変わっていたようでしたが・・・。
演出はIKKANさんというお笑い業界では名のある作家さんで、その多くのレパートリーの中から、今回は選りすぐりの7本を舞台に上げていました。

感想としては・・・期待を裏切ることなく、やはり面白かったです。頬の筋肉がつってしまうくらい、存分に笑わせてもらいました。
脚本は確かにコントですし、前説や場つなぎトークが入ったりするところなど、全体としては確かにお笑いの軽いノリが存在しているのですが、出演している人たちがほぼ10~20年選手というベテランの舞台役者さん達なので、「コント」というより「コメディー」的に仕上がっていたように思います。
自分はお笑いライブにはあまり行ったことがないのですが、おそらくお笑い芸人の人たちがそうは醸し出せない、濃密な空間を作り出せていたのではないかと思います。その濃密さがコメディーに感じさせた理由なのだと思います(『くどさ』ではなく)。それを良いと思うか、あるいはもっと軽い方が良いと思うかは好みの問題もあると思いますが、せっかくお金を払って入場している以上、やはりしっかりしたものを観たいというのが自分の中にはあります。その意味で今回は本当に満足でした。

そしてもう一つの感想。

やっぱり観ているとまた出演したくなります004.gif本業で新しいことを次々と始めている現状ではなかなか難しいとは思いますが、またいつか、こういった舞台に立てることが出来たら良いな、と思っています026.gif
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by munenorin | 2008-08-23 10:44 | たまの観劇日記

闇に咲く花

今日はこの間ブログでもお知らせした、大学時代の後輩の舞台を観に行ってきました。場所は新宿・紀伊国屋サザンシアター、作・井上ひさし、こまつ座の舞台です。

途中15分の休憩を挟むとはいえ、上演時間は総計3時間の長丁場。まず幕が開くなり、経験豊富で達者な役者さんたち同士の丁々発止のやり取りで物語が展開していきます。この時点で私はとても不安になりました。

まずその後輩の演技力レベルについて、私の中では大学時代のいかにも不器用だった彼の印象で止まってしまっているので、大変失礼ながら、こんなベテランの役者さん達の中でしっかりプロの役者として舞台上に立っているように見えるのだろうか、ということです。
いくら新国立劇場の研修生としてしっかり学んできたとはいえ、今年の3月に卒業したばかりということは、いわば新卒のサラリーマンのようなものです。はじめからまともに仕事などまず出来るはずがありません。実地で経験を積んでいくことで、初めて先輩達と同じ土俵に立つことができるようになるわけです。それをいきなりこまつ座とは、ある意味ラッキーとはいえ、少し大きくいきすぎたのではないか、と。

そして場面が進んでいくにつれ、私は更なる不安に駆られました。彼が登場してこないのです。結局まったく登場しないまま一幕は終わってしまいました。これはどういうことでしょう?もしかしたら私の気付かないうちに、大道具や小道具に同化してひっそりと登場していたのか?或いは怪我や病気など、何かアクシデントがあったのではないだろうか?思いは千々に乱れます。

そして二幕が始まりますが、まったく彼が現れる気配がありません。チラシ番組を確認すると出演する人数は全部で13人。舞台上の人物と既に登場した人物を頭で合わせて数えてみると12人!彼だけが登場していないことになります。
そしてなおも物語は進み(この頃になると私も舞台に引き込まれ、半分くらい彼の存在を忘れていましたが026.gif)、いよいよ物語はクライマックスらしい場面に近づこうとしています。

まだ現れない・・・

遂にクライマックスと思しき場面が終了!結局現れなかった・・・。

と思ったらここで場面転換。どうやらエピローグらしきものが始まりました。ここでようやく登場しました!残り時間およそ10分というところ。ギリギリセーフでした043.gif

登場時間はおよそ6,7分といったところではありましたが、テンポの早い台詞がふんだんにあり、またそれとなくお客さんの笑いも誘わなければいけないような、ある意味美味しいとも言えますが、なかなかの難役です。

まず第一に、私は彼が台詞を噛んだりトチったりしないように、ということを心に祈って観ていました。なにしろ3時間の芝居の中で、台詞を噛んだ役者さんがまだ一人もいないのです。これは何かアクシデントがあったら目立ってしまう、と思って観ていました。
しかし案ずるより産むは易し。無事に登場場面を終え、意気揚々と舞台から退場していきました。

そしてここまで散々失礼な物言いをしてきましたが、彼の演技について。本当に変わってないんだな、というのが第一印象でした。それもとても良い意味で。
彼自身が本来持っている、少し不器用ですっとぼけた愛すべきキャラクター性というのが、とてもうまく舞台上に生かされていたのです。これにはもちろん演出の力も大きいと思います。しかし何より、彼自身の地道な努力があったからこそ、舞台で花開くことが出来たのでしょう。

もちろん勉強の甲斐あって、基本的な部分でも技術的に大きく成長していました。とはいっても、当然ながら他の役者さんとはまだまだ力量の差があります。しかし舞台上で魅力的に見えたこと、好感の持てる役者になっていたことがとても嬉しかったです。これが舞台人にとって一番大切なことですから。

終演後、楽屋に面会に行った時も、少しも昔と変わらぬ好青年な印象。何だか少しホッとしました。

今日の芝居のタイトルは「闇に咲く花」。今後も経験と精進を重ねて、舞台上のどこにいても輝いて見える、「花」のある役者になっていってほしいものです056.gif
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by munenorin | 2008-08-22 01:27 | たまの観劇日記

美女と野獣

昨日は実は静岡まで行って劇団四季の『美女と野獣』を観劇してきました。
b0145146_1624.jpg学生時代以来の久しぶりの『美女と野獣』、何度見ても同じように感動できるのは、やはりこの作品が名作である証なんでしょう。

いつも思うのですが、野獣ってとっても可愛らしいですよね。その分、なぜか最後に王子様になれたところで少し寂しくなったりもするのです。ちょっと変わった感覚だとは思いますが・・・

昨日はその劇場で、久しぶりに大学のサークル時代の後輩・そして先輩の顔も見てきました003.gifみんな一日一日を精一杯頑張って生きています。そのことにとても励まされます。

最近、偶然に知人に会う確率が増えてきました。そして様々な新しい出逢いも・・・今年は自分にとって飛躍の年のようです!
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by munenorin | 2008-08-01 01:19 | たまの観劇日記
今日は、以前ユニットバースとして普通のお芝居に出演していた頃大変お世話になった友人、杉山夕ちゃんが主宰する劇団『u-you.company』の第6回公演、『あなたの探し物。無料で探します(仮)』を観に行ってきました。
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この『u-you.company』、今回の出演者は12名、前回は2名、その前は6名、その前は確か20名近く・・・と、公演によって出演者の数が大きく異なるのですが、共通しているのは出演者がすべて女性であるということです。そして毎回この杉山夕ちゃんが、脚本・演出をしています。

女性ばかりの劇団であるからといって別に宝塚のように男役等が登場するわけではなく、皆さん女性のままの姿で舞台に立たれます。つまり女性だけしか登場しないお芝居なのです。この制約はかなり凄いことです。そしてもう一つ凄いことは、基本的にはコメディーを演じるのです(演出の好みにより下ネタも数多く有049.gif)。しかも出演女性は大体皆若くて、ほぼ美しい方ばかり004.gifまた出演者の数の変動から分かるように、出演者はその都度異なることが多く、普段は皆さんそれぞれ違う劇団や舞台、事務所等で活躍されています。

そんな女だらけの劇団を、文字通り女手一つで纏め上げ、育て上げる夕ちゃん。本当に毎回感心しています。これも彼女の人柄がなせる業なのでしょう。
そして何より作品が面白い!私もそれほど小劇場系の芝居を数多く観てきたわけではありませんが、まずハズレがないのです。今回も笑いだけではなく、最後には少ししんみりさせるようなシーンもあって、女性ならではの演出だなぁ、と感心させられました。

こういう風に、以前一緒にお芝居していた仲間が頑張っている姿を見ると、とっても嬉しいし、刺激になりますね001.gifそしてまた芝居をやってみたくなったりもするのです。まぁそれはしばらく封印しておくとは思いますが・・・023.gif

『u-you.company』の公演、今月30日まで、場所は池袋のシアターグリーンです。お時間のある方はぜひ一度足を運んでみて下さいね072.gif
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by munenorin | 2008-07-27 01:29 | たまの観劇日記

久しぶりの歌劇観劇

今日は久しぶりに宝塚歌劇を観てきました。
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東京宝塚劇場で上演されている、花組公演「愛と死のアラビア」「Red Hot Sea」の芝居とショーの二本立てです。またこの作品は男役トップスター真飛聖の御披露目公演でもあります。

約4ヶ月ぶりの宝塚観劇でした。

作品の内容そのものの評価はともかくとして、宝塚にはなんだか自分を元気にする独特の力があります。今日は観に行くことが出来て本当に良かったです。

宝塚歌劇を最初に観たのは確か小学校2年生のとき、以来25年近く観続けています。

私の今築いている人間関係のおそらく70パーセントほどは、全て宝塚を好きになったことによって巡り会った人達です(そうでないのはプロの能楽関係と暁星時代の友人くらいです)。それくらい自分の人生に大きな影響を与えてきました。

観始めた当初は当然生徒さんは年上のお姉さんばかり、それが高校生になって初めて自分と同い年の生徒さんが現れ、気がつけばもういまや自分より年下の生徒さんのほうが圧倒的大多数になっています。

自分と仲の良かった同年代の生徒さんが立て続けに退団していったこの1年ほどで、だいぶ宝塚歌劇と距離ができるようになりましたが、それでも今後まったく観なくなることは無いのかもしれません。

宝塚はここ最近変革が激しく、それも必ずしも良い方向に進んでいるとはいえない状況のような気がしますが、どうかかつての純粋でのどかな雰囲気のあった歌劇団の体質(それは即ち創業者の小林一三の理想であると思いますが)を失くすことなく、数年後の100周年、またそれ以上に続いていくことを願っています。
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by munenorin | 2008-07-19 23:38 | たまの観劇日記

富山清琴地歌筝曲演奏会

先ほどの記事の通り、今日は地歌の演奏会に行って参りました。

正確には地歌と筝曲を弾き語り(琴と地歌・三味線と地歌)の形で行う演奏です。私は伝統芸能の世界には居ますが、実は長唄や常磐津に清元、地歌や義太夫など、何がなんだか良くはわかっていないのです。だから詳しい説明はここでは出来ません。
またプログラムにはその日の演奏曲や解説と併せ、実際に謡われる詞章も掲載してありました。しかしそれを読んでも、必ずしもその曲のストーリーや意味がはっきりと分かるわけではないのです。その点は能の鑑賞に通じるものがあるかもしれません。また舞や踊りのような動きが一切なく、ただ正座による弾き語りで進行する点は、素謡(あるいは謡サロン?)にも通じます。
私が思ったのは、技術的な部分での能との違いです。同じようにストーリー性のはっきりしない能は(すべてがそうではありませんが)、気迫や魂で曲を表現しようとします。地歌はおそらく、メロディーの上げ下げの仕方、声の使い方で曲を表現し切るのではないでしょうか?それくらい節付が複雑で高低差があり、意味が分からなくとも聴くだけで心地がよいのです。またその複雑なメロディーを一歩引いた柔らかい声、そして裏声を多用しながら一番気持ちの良いポイントに持ってくる技術には本当に驚かされます。この清琴先生は50歳代後半で、ほぼお一人で全曲をこなしていたのですが、息子さんが全4曲中2曲に出演されていました。正直なところ、声の使い方という点でお二人にはやはりまだまだかなりの差を感じるのですが、お見受けしたところ息子さんはまだ20歳台後半くらい、その年齢にしてはかなり声も落ち着いておられ、将来有望な感じが致しました。他ジャンルの伝統芸能の若手が頑張っている姿を見ると、良い刺激になります004.gif

実は今回この清琴先生の会にお邪魔したわけは、本年10月23日(木)に同じ舞台に立たせていただくからなのです。それは大阪の国立文楽劇場での地唄舞の会で、吉村流の『葵上』があり、そこに他ジャンルの私が賛助出演させていただくことになったのです。今日はその地唄舞の会を主催される吉村流の先生とご一緒して拝見に伺いました。今日拝見して、自分よりあらゆる意味で数段上の先生とご一緒させていただくのだといことがはっきりとわかりました。大変光栄なことでありますし、胸をお借りするつもりで頑張りたいとは思いますが、これは常日頃からしっかりと舞台に取り組んでいないと大恥をかくことにもなりかねないと思った次第です。
楽屋でお会いした先生は肌つやや血色も大変に良く爽やかで、実年齢よりかなりお若くお見受けしました。自分も健康管理を第一に、しっかりと目標に向かって頑張って行きたいと思います。
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by munenorin | 2008-06-27 01:44 | たまの観劇日記