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能楽師・武田宗典の舞台活動・観劇活動を中心にした日記的四方山話


by munenorin

大阪市内にて

右翼の街宣車が通る。何だかおよそ似つかわしくないソフトな声のオジサンが話しているので、聞くとは無しに何となく耳を傾けていた。

話は鳩山法相になってからの死刑執行の多さについてである。
朝日新聞のコラムが、鳩山氏のことを『死神』扱いした云々のことについて、反論の見解を述べていた。朝日は左翼系であるから、それに反論の立場をとるのは至極最もな話である。しかしこの反論の仕方が傑作であった。

"コラム等で文字数などの制約があったにせよ、もう少し配慮のある書き方は出来なかったのか?"

右翼の街宣車といえば、政治信条とは名ばかりの暴力団まがいの連中が、ダミ声でわめき叫んでいる姿しか見たことはなかった。しかし、このソフトな声のオジサンが、相手方の記事の文字数にまで配慮して懸命に訴えている姿が、ある意味でいえばマトモ過ぎておかしかったのである。

おそらく彼らにもいろいろな団体があるのであろうし、個々を見れば細かい思想の違いはあるのだろう。しかし仮にも政治 団体であるならば、聴衆にまず主張を聞いてもらえなくては何の意味もないはずである。その点で、今日のソフトな声のオジサンは耳を傾けさせるのに充分なバランス感覚と説得力を持っていた。街宣車にしろ、選挙演説の車にしろ、思わず耳を塞ぎたくなるような金切り声を出すのはもうやめて、今後は一歩抑えた声と主張で大衆に訴えかけてほしいものである。

では私もお客様の心を惹きつけることができるように、これから一歩抑えた声で謡を謳って参ります(笑)
by munenorin | 2008-06-22 13:43 | 四方山つぶやき